交換略字【薮】
[音] | ソウ |
[訓] | さわ |
やぶ |
《意味》
【藪沢】そうたく
【藪】やぶ
【藪井竹庵】やぶいちくあん
藪医者(医術のへたな医者)を人名のように表した語。
【藪入り】やぶいり
奉公人が、正月・盆の前後に休みを許されて、実家に帰ること。また、その日。
草深い田舎に帰る意から。
【藪蚊】やぶか
カ科の昆虫の総称。大形で黒く、藪にすんでいて昼間人の血を吸うものの総称。デング熱などを媒介するものもある。シマカ。
Wikipedia「ヤブカ」
「豹脚蚊」とも書く。
【藪枯】やぶがらし
ブドウ科のつる性多年草。野原や道端に自生する。巻きひげで他のものにからみついて伸びる。夏、淡緑色の小花を開き、黒色の小さな実をつける。ビンボウカズラ。
Wikipedia「ヤブガラシ」
【藪から棒】やぶからぼう
突然、物事を行うこと。だしぬけ。
「青天の霹靂」「寝耳に水」
【藪柑子】やぶこうじ
ヤブコウジ科の常緑小低木。夏、白い花を開き、冬、赤い球形の実をつける。
Wikipedia「ヤブコウジ」
「紫金牛」とも書く。
【藪蝨】やぶじらみ
セリ科の二年草。夏、白色の花を開く。実にはとげ状の毛があり、衣服などに付着する。
「窃衣」とも書く。
【藪蘇鉄】やぶそてつ
オシダ科の常緑多年生のシダ。
Wikipedia「ヤブソテツ」
「貫衆」とも書く。
【藪手毬】やぶでまり
スイカズラ科の落葉低木。5、6月ごろ、小花を密につけ、周りを白い大きい装飾花が囲む。
Wikipedia「ヤブデマリ」
「胡蝶樹」とも書く。
【藪睨み】やぶにらみ
【藪蛇】やぶへび
余計なことをして、かえって自分にとって悪い結果を招くこと。
「藪をつついて蛇を出す」の略。
【藪茗荷】やぶみょうが
ツユクサ科の多年草。葉はミョウガに似る。夏、茎の上部に白い小花を数段つけ、実は藍色に熟す。関東以西に分布。
Wikipedia「ヤブミョウガ」
【淵藪】えんそう
物事の多く寄り集まる所。中心として栄えている所。
「淵」には魚が集まり、「藪」「叢」には鳥や獣が集まることから。
「淵叢」とも書く。
【山藪蔵疾】さんそうぞうしつ
いかに優れて立派な人物であっても、多少の欠点はあるということ。
また、立派な人物は多少欠点があってもあらゆる人を包み込む度量があるというたとえ。
「山藪」は山や藪のことで、立派でどっしりしたもののたとえ。「蔵」は隠す意。「疾」は害になるものの意で、ここでは害虫や毒を持つ生物のこと。
「山藪、疾を蔵す」が書き下し文。
【談藪】だんそう
たくさんの興味のある話。また、それらを集めた本。
「談叢」とも書く。
《字源》
声符は「數(数)(すう)」。
「數」は女子の編みあげた髪をうち乱す意。
「婁」は女子の髪を高く結いあげた形。これに棒で打ち付ける形の「攴」を加えて、髪を乱すことを「數(さく)」という。
そのような状態に草木の茂るところを「藪」という。
《字体》
「數(数)」の部分について、初唐標準字体・開成石経標準字体ともに「」。
初唐標準字体の「」の草書(口の部分を点2つにまで略)を楷書化したものが「数」で、常用漢字に採用されている字体。
「数」の字体は、王羲之の行書などに見られ、楷書の形では宋代あたりから見られる。